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ヨーロッパの片隅で、家族と鳥一羽と暮らしています 。  世界遺産とポルノグラフィティとホンとオンガクが好き。    よければアシアトを残してくれればウレシイです☆       写真撮影:miyuとその家族


by miyu-sakura
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隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。

私は、変なとこが大好き。


旅行雑誌の巻頭を飾る誰にでも人気の都市もいいけれど、
人知れずひっそりと観光地をしてるような、ちーいさな街が好き。


どちらかといえば、判官びいきで。


余談ですが、
私、「判官びいき」ってずううっと「はんかんびいき」って
読むのだと思っていました。

実は「ほうがんびいき」って読むんですね。

旅行中に読んだ「重力ピエロ」を読んで初めて知りました。
今までずうっと、「はんかんびいき」って大威張りで言ってたぞ。

うう、こっぱずかしすぎる・・・・・



で、そんな判官びいきのわたしのハートをわしづかみにしたのが、
ドイツ、ロマンチック街道の街「ネルトリンゲン」
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_66357.jpg

(ネルトリンゲン、聖ゲオルク教会よりまん丸な街を見下ろす)


ロマンチック街道なら、行ったことある!
という方もいらっしゃると思うのですが、

ローテンブルグとアウグスブルグの間にある、
この小さな町を訪れた・・・というか知っている方すら多くはないと思う。

かくゆう私も、知ってたのはヴェルツブルグ、ローテンブルグ、フュッセンくらい。
ネルトリンゲンなんて、地名すら知らなかった。



このネルトリンゲン、一体どんな街なのかというと、
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_605978.jpg

(まん丸の形に、中世の町並みが昔のままに残っている。)

1500万年前に、直径1キロの隕石が落ちてきて
その跡の盆地にできた街。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_6102290.jpg


こちらに来てから、とある雑誌で見かけて、

「隕石が落ちた跡がそのまま街になってるなんて、絶対すごい!!」
と友人達に話したところ、

「そーかー?」
とひどくつれない。

「だってさ、丸い盆地になっているんだよ」
と食い下がってみる私。

「でもさ、わざわざぽっかり空いた穴に暮らすなんていやじゃん」

・・・・でも写真を見る限り、ぽっかり空いた穴なんかじゃないし・・・



よし、実際に行って見てみようということで
車を6時間ほど飛ばして、行ってきました!ネルトリンゲン。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_6202393.jpg

ネルトリンゲンはあまりにパットしない街だったが故に
戦争での被害を被っておらず、
住民の手によって数百年前の建物や町並みがほぼ完全に残されている。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_6265958.jpg

2.7キロの丸い城壁は、完全に街を一周し屋根つきの木造の部分も。

観光地のはずなのに、お土産屋や行き交う人も多くなく、
城壁を散歩しても、ずっとここに住んでたみたいにのんびりした気持ちになる。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_7284765.jpg

街の中央にそびえる聖ゲオルク教会の塔「ダニエル」

街のどこからでも見え、かつては見張り塔として使われていただけあって、
塔内は意外にも広く、階段も木製である。
(教会の塔は石の螺旋階段が多い)


なぜか、塔の最上階近くに、水洗のけっこうキレイなトイレがあった。
その階のチケット売りのおじさんのためにあるのだろうが

90メートル近く上空でされた「ブツ」は地上にどう落下しているのか、
大いに気になるところではあった。



で、
隕石のなぞを解くべく、街にある、「リースクレーター博物館」に行ってみた。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_6404773.jpg

ドイツの博物館は、どこもひどく「ドイツくさい」。
展示ひとつ、館内の雰囲気ひとつとっても、非常に真面目で、隙がない。
で、説明はドイツ語の表記しかない。英語表記すらない。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_5575567.jpg

イタリアなんかだと、もっとカラフルだったり、遊びゴコロがあったりするし
フランスはもっと照明暗めだったり、なんかムーディーであるような気がする。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_645911.jpg

ここでは、ネルトリンゲンの隕石がドンナ感じで落ちてきたか、
映像やパネルで説明をしてくれる。

1キロの隕石が落ちてきたら、一瞬で4.5キロの穴が空き、同時に
20キロの高さまで4.5キロ分の土がきのこ雲状になって舞い上がる。

その時に衝撃で隕石は粉々に砕けて、穴の一番下でぽっこり膨らんで
その上に舞い上がった土砂が直径15キロ範囲で落ちてくる。

その間はほんの1・2秒ほどらしい。



昔、東京に隕石が落ちてきて・・・なんて映画があったけれど
実際落ちたら、一瞬でどんな建物も20キロ上空に吹き飛ばされちゃうんだな。

えって思う間もなく20000メートル上空ってことは、
その場で凍死または、窒息死。

東京が、まったく跡形もなくなる・・・なんて映画の世界だけど
現在、世界中にはほんとに多くの隕石が落ちた跡が発見されていて
可能性がまったくゼロではないんだな、としみじみ。
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_754416.jpg

隕石の落下で恐竜が滅びたのでは、と説明もあった。


このリースクレーター博物館、ドイツ語がわからなくても十分に面白く、
なんとアポロ11号の宇宙飛行士たちもはるばる研修のために
このネルトリンゲンに滞在したのだという。


その縁で、
なんとここには
隕石が落ちてできた街、ネルトリンゲン。_f0062821_741378.jpg

月の石が展示されている。


大阪万博で長蛇の列に並んで見た方、
ここ、ネルトリンゲンでは、
まったくなんのありがたみもなく展示されています。


見たい方はぜひどうぞ。
アウグスブルグ空港より車で1時間ほどです。

観光に来るには、あまりに静かな街ですが、
皇帝が舞踏会を開いた家や、創業数百年の薬局などもひっそりとあります。



今、日本は「鉄道」がブームらしいと聞きますが、
どーでしょう、次のブームは「宇宙」ってことで。

てっちゃん、鉄子、ならぬ
うっちゃん、宇子。


・・・来そうにないな、そんなブーム。
by miyu-sakura | 2007-11-09 07:53 | ちっと旅ガラス