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ヨーロッパの片隅で、家族と鳥一羽と暮らしています 。  世界遺産とポルノグラフィティとホンとオンガクが好き。    よければアシアトを残してくれればウレシイです☆       写真撮影:miyuとその家族


by miyu-sakura
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2008年 01月 02日 ( 1 )

EGYPTより

昨日の午後のこと。
カイロ国際空港より私たちを乗せたエジプトエアーは飛びたった。


私の住むこの北の町までの、約5時間の飛行時間で
すべての価値観が変わって行く気がした。




アフリカ大陸一の大都市、大カイロ。
なんと人口は1200万人。
東京都に匹敵するほどの人口を抱える一大都市で。



そこには、ものすごい喧騒と混乱があって、
人々は大声で喧嘩をし、クラクションは町中で鳴り響き
信号は無視をされ、車はわずかな隙あらば割り込んでくる。


町のあちこちには拳銃を持ったポリスが立って、
どこへ行くにも検問があり、ホテルに入るのでさえ金属探知機をくぐる。


道路の向こうに渡る時は、けして速度を落とさない車の間を、
縫うようにして一車線ずつ走って渡る。
中央分離帯に立つ家族連れに、車は容赦なくクラクションを鳴らす。


ナイル川は、この上なく澱み、ゴミも浮き、川幅も思ったよりずっと狭く。
ナイル川より引いてる水道の水は、
溜めると透明ではなく薄い黄土色で、この水を飲むとひどいゲリをする。


年間25ミリしか降らない雨と、いたるところで行われてる工事のため、
常に町中に砂埃が舞い、髪の毛は常にバリバリになる。


タクシーや馬車の客引きは、しつこく何人もつきまとい、
みやげ物を手にした売り子は歩いている目の前に立ちふさがり
通り過ぎる腕を掴む。


自分でトラムに乗ろうとすると、停留所と思われる場所には時刻表はおろか
路線図すらなく、唯一掲げてあるプレートには小さなアラビア語の地名だけで。


バスもトラムも人々の乗り降りがしやすいように常にドアを開けたまま走り
10年以上前に廃車になって然るべき車には、定員オーバーの人が詰め込まれ
ロバの牽く子どものオレンジ売りの車と車線争いをする。


売店でビールを買っても、日本人と見るやお釣りをごまかそうとするし
普通の人には英語は全く通じず、値段もすべてアラビア語。
物売りは大声を張り合げ、買い物はすべて値段交渉から始まる。


どんなトイレにも、入り口にはトイレおばさんがたち、
一回ごとにトイレットペーパーを配っては、0.5か1パウンドをせびる。
基本的に、どれだけ掃除してあっても、清潔とは程遠い。


観光客の押し寄せるピラミッドや博物館には、
現地の物価に対してびっくりするほど法外な入場料がかかり、
乗ったら最後下ろしてくれないらくだ引きや、悪徳なガイドがうろつきまわる。



・・・それがエジプト。




今こうして、砂埃のない氷点下の静かな北の町にいると
この同じ空の下、同じ時間に、あの喧騒の町があるとは
知ってはいるけれど、実感できない。

私の目や耳はここにあり、
私は同時に二つの世界に立つことはできないのだから。





昔読んだ、
リチャード・パックの「ONE」のように
今この時間に、もう一人の私がカイロに留まっているのであれば
どれだけうれしいだろう。




喧騒と混乱が溢れるエジプトには、


15円で飲める生のジュースや、30円で食べれる昼食や
30円のチップに大喜びをするポーターや
40円で食べれるニューイヤーケーキがあり


ロバや馬にのった12.3歳の子ども達は、
豊富な日光を浴びた南の果物を台車に山積みにして市場に向かう。

人々は必要な分だけ物を買い、必要な分だけ物を食べ
屋根のある寝る場所と、たくさんの家族に囲まれて
イスラムの信仰を守りながら、暮らしている。




エジプトでは

人間が生きる、ということが
とてもシンプルで、とても力強い。








たった8日間だったけれど、
今、エジプトがひどく懐かしい。

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by miyu-sakura | 2008-01-02 20:38 | ちっと旅ガラス